「記憶」を「記録」へ──そして未来へ

多摩資料保存室、室長の赤須朱里と申します。

当室の活動目的は、たまというバンドが歩んだ軌跡をより多くの方々と共有し、その文化的価値を確かな形で後世へ継承することにあります。

ここで、筆者個人とたまとの出会いについて、少しだけ触れさせてください。

 Z世代である筆者が彼らの音楽に触れたきっかけは、YouTubeでした。

幼少期に耳にしていた「ハオハオ」が彼らの作曲であることを知り、改めて配信音源を辿ったところ、そのアンサンブルが持つ現代音楽にはない自然な心地よさの虜になってしまいました。数ある名曲の中でも、特に「月ろけっと」を深く愛好しております。

たまの音楽に魅了された筆者は、程なくして関連資料の収集を始めました。

しかし、中古市場に溢れる膨大なグッズの数々を目の当たりにし、かつて大切にされていたはずの品々が、様々な事情で手放され、散逸していく現状に強い危機感を抱きました。

昨今、クラウン所属時代の楽曲が公式配信されるなど、インターネットを通じてたまが音楽史に残した影響を再評価する動きが加速しています。

彼らの音楽は、今後さらに高く評価されていくに違いありません。

また、今や「推し活」は一つの社会的な文化として根付いています。

アーティスト本人による表現はもちろんのこと、ファンが共に作り上げてきた独自のコミュニティ・文化そのものも、等しく継承されるべき対象ではないでしょうか。

ですが、グッズや個人の記憶は意図して残さなければ散逸してしまいます。また、バンド名による検索性の低さといった問題もあり、このままでは将来、彼らの功績を研究することすら難しくなるのではないかと危惧しております。

これらの課題を解決すべく、当室はたまにまつわる「記憶」を「記録」へと残し、継承する活動に取り組んでまいります。 

本活動は一ファンによる草の根の試みではございますが、取り扱う資料への敬意と、著作権をはじめとする諸権利への配慮を欠かさず、一つ一つ確実な運営に努めてまいる所存です。

至らぬ点もあるかと存じますが、今後とも当室の活動へのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2026/03/21

多摩資料保存室

室長 赤須 朱里